アルツハイマー型痴呆疑い患者における高次脳機能検査の成績
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概要
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アルツハイマー型痴呆患者の疾病初期段階での特徴を明らかにすることを目的として、見当識・記憶・言語・視空間認知・構成の4領域から構成される神経心理検査バッテリー(老研版高次脳機能検査)を15例のアルツハイマー型痴呆疑い患者(DAT疑い群)と笹沼ら(1985;1987;1988)の研究での健常高齢者(健常群)に施行し、検査成績の比較検討を行った。その結果、(1)DAT疑い群は、記憶の下位検査の「物語の遅延再生(長期記憶/エピソード記憶)」および「検討識」の生成期において、健常群に比べ有意に低い成績を示した。しかし、(2)言語と視空間認知・構成の領域では両群間で顕著な差は認められなかった。この結果よりDAT疑い群の最も顕著な特徴は、エピソード記憶の障害と軽度の見当識障害であると考えられた。
- 国際医療福祉大学の論文
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