国民健康保険における保険料賦課思想の変遷について
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概要
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わが国医療保障の日本の柱の一つである国民健康保険の事業は、市町村が運営しなければならないこととされている。そこで市町村は国民健康保険の費用を賄うため、その住民に対して保険料を賦課徴収しなければならない。しかし各市町村の状況は千差万別であり、地域の医療水準や経済の実態によって、医療費に著しい差があり、保険料負担能力にも大きな格差がある。国民皆保険体制が発足して以来、政府も地方公共団体も、市町村相互間と個々の住民相互間に公平で合理的な保険料負担のあり方を模索してきた。一部は財政調整交付金制度として不十分ながら実施されているが、問題は解決されておらず、関係者の間でいくつかの提案がなされながらも成案は得られないまま、今日に至っている。本稿ではこれらの提案が行われた背景と問題点を政策史的に概観する。
- 1997-08-31