在宅高齢者のセルフ・エフィカシーとそれに関連する要因
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概要
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高齢者の一般性セルフ・エフィカシーの実態とそれに関連する要因を明らかにするために60歳以上の在宅高齢者855名を無作為抽出し,郵送法による質問紙調査を実施した。その結果,530名(男性233名,女性297名)の有効サンプルより,以下の結果を得た。男性高齢者のセルフ・エフィカシー得点の平均値と標準偏差は9.58±3.73点で,女性高齢者は7.82±3.65点であった。また性差では男性高齢者のほうが女性高齢者より有意に高い得点であった。在宅高齢者のセルフ・エフィカシーに対して有意に関連した要因は,男性ではSDS(Self-rating Depression Scale),自尊感情,生活満足度の3要因であり,女性では子どもの有無,SDS,友人ソーシャル・サポート,自尊感情,生活満足度の5要因であった。男性高齢者においては,抑うつ状態が低く,自尊感情が高く,そして生活満足度が高いほど,セルフ・エフィカシーが高い結果であった。一方,女性高齢者については,子どもがいて,抑うつ状態が低く,友人のソーシャル・サポートが多く,自尊感情が高く,そして生活満足度が高いほど,セルフ・エフィカシーが高い結果であった。これら有意な関連要因は,先行研究の結果と一致し,かつバンデューラ(Bandura,A.)がセルフ・エフィカシー形成に影響する力として提示した主要な情報源(特に,遂行行動の達成や生理的・感情的状態)を具体的に追認するものであった。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2001-03-25
著者
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