健康指導教室参加高齢者の自尊感情の変化に関連する要因
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概要
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高齢者健康指導教室参加者219名(男性67名,女性152名)と対照高齢者239名(男性112名,女性127名)を分析対象者として,9か月間の身体活動が自尊感情の改善に及ぼす影響とその自尊感情の改善に関連する要因を質問紙による縦断的調査で調べた。その結果,以下のことが明らかになった。(1)9か月間の健康教室と日常の身体活動によって,健康教室参加高齢者群は男女ともに自尊博情が有意に改善した。(2)自尊感情の変化に関連する要因を5%有意水準をめどにした変数増減法による重回帰分析で分析した結果,男性高齢者では自尊感情の変化に有意に関連する要因として,「運動実施頻度」「開始時・自尊感情」「友人・PSS」「THI身体的健康変化」「THI精神的健康変化」の5要因が選択された。その重相関係数はR=0.821(R^2=0.675)であった。選択された要因を標準偏回帰係数からその規定力の方向をみると,運動実施頻度では実施頻度が高いほど,開始時・自尊感情では自尊感情が低いほど,友人PSSではサポートが多いほど,THI・身体的健康変化では改善が大きいほど,そしてTHI・精神的健康変化では改善が大きいほど,自尊感情の改善(変化)を高める結果であった。(3)女性高齢者においては,5%有意水準をめどにした変数増減法による重回帰分析の結果,「開始時・自尊感情」「社会的諸活動」「友人・PSS」「友人・NSS」と「THI・身体的健康変化」の5要因が選択された。その重相関係数はR=0.587(R^2=0.344)であった。選択された要因を標準偏回帰係数からその規定力の方向をみると,開始時・自尊感情では自尊感情が低いほど,社会的諸活動で活動的であるほど,友人PSSではサポートが多いほど,友人・NSSでは少ないほど,そしてTHI・身体的健康変化では改善が大きいほど,自尊感情の改善(変化)を高める結果であった。
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2002-08-31
著者
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