携帯電話を用いたモバイル生体センサデータ解析プラットフォームの構築

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本論文では,ユーザの健康管理などを目的として,ユーザが装着したワイヤレス生体センサから得られる生体センシングデータのリアルタイム解析サービスを行うモバイル生体センサデータ解析プラットフォーム:CONSORTS-Sについて述べる.携帯電話を用いた生体センシングデータ解析サービスを構築しようとした場合,計算資源や通信帯域の限られた携帯電話を用いて,いかにして生体センサから継続的に送信されるデータストリームを遅滞なく解析し,迅速にサービス提供を行うかという問題の解決が重要な課題となる.一方で,複数のユーザへのサービスを実現するには,解析サーバへのデータの集中による負荷の軽減を目的とした,携帯電話からの通信量の削減も重要な技術課題となる.CONSORTS-Sでは,モバイルセンサルータと呼ぶ通信モジュールおよびインターネット上のデータ解析サーバを協調的に動作させることで,既存の携帯電話を用いて迅速なサービス提供を実現した.具体的には,センサ通信の各段階においてデータの縮約処理を行うことで全体としてセンサデータ解析の高速化を実現するとともに,変異の検知に基づくイベント駆動の通信を行うことで,通信量の削減を可能にした.CONSORTS-Sを用いて,心電位データと3軸加速センサデータをリアルタイムで解析し,心拍数,姿勢および歩行速度を常時モニタリングする遠隔生体見守りサービスを構築し,処理時間,通信量の評価を行った.センサデータ解析に要する応答処理時間は1.5秒程度で済むこと,また非同期通信を行った場合,常時送信する場合にくらべて,通信量は半分以下に削減されることを確認した.
2010-04-15

携帯電話を用いたモバイル生体センサデータ解析プラットフォームの構築

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