示範教材で示された行為の理解がその後の実施に及ぼす影響 : 看護技術演習での効果的な学習を目指して
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概要
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筆者らが担当する基礎看護学の技術演習では、教員によるデモンストレーションを学生に観察させた後に、手順に従って実施させる方法をとっている。しかし、デモンストレーションに含まれる多くの要素を認知できないままの実施は単なる模倣にとどまり、主体的な実施を阻害する。そこで、示範ビデオを観察後、技術ポイントや行為の意図について再確認する機会を得ることができれば、その後の実施が効果的になると仮定し、実験を行った。方法は看護系大学1年生37人を被験者とし、洗濯機から洗濯物を取り出して干す作業を課した。その結果、示範ビデオを観察後、適切な作業順序や作業方法、行為の意図について確認するための質問シートに解答してから作業を実施した被験者は、示範ビデオの観察後にそのまま作業した被験者と比較して、適切な行為の実施率が高くなる一方、迷いながら作業している様子がみられた。示範教材を観察後に技術ポイントを再確認する機会を実施前に与えることは、手順をイメージしながらも、主体的に目的や原則に沿って実施するための方法として有効であることが示唆された。
- 2008-03-10
著者
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菅原 真優美
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
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小山 聡子
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
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小山 聡子
新潟青陵大学
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倉井 佳子
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
-
樽 淳子
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
-
佐藤 信枝
新潟青陵大学看護学科
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佐藤 信枝
新潟青陵大学看護福祉心理学部看護学科
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倉井 佳子
新潟青陵大学看護学科
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菅原 真優美
新潟青陵大学看護学科
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