インプラント体表面粗さが埋入後のインプラント体周囲での骨組織形成に関与する生化学的活性に及ぼす影響

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本総説では、インプラント体表面粗さが埋入後に起こるインプラント体周囲での骨組織形成において関与しているサイトカインの生化学的活性に与える影響に関して、どの様な結論が現在得られているのか、また、将来に向けての展望はどうかを追求することを目的としている。インターネットにてPub Med検索において散見し得た文献をもとに、インプラント体周囲での骨組織形成に関与するサイトカインの生化学的活性を分析した論文で、in vitroでの研究手法による15論文を用いた。報告によると、粗雑面であることがTGF-β1、TGF-β2、collagen、vitronectin、osteocalcin、osteopontin、Runx2 typeII、MG63、ALP、Cbfa1等の骨形成因子が増加しているが、TNF-αとTNF-α2β1は減少していると述べている。[3^H]-thymidineに関連した研究において、粗面では減少するという報告もあるが、他の報告では有意な差があったとの報告もある。また、0.5μm程度の粗さと3.0μm程度の粗さの比較では差がなかったの報告もある。さらに、[3^H]-thymidineの取り込みが、表面粗さと反比例するとの報告もある。しかし、他の報告では、[3^H]-thymidineの取り込みが表面粗さがSa値で1.38μmが非常に高かったとの報告もある。さらに、ヒト骨芽細胞を24〜48時間培養し[3^H]-thymidineパーセントを指標にDNA合成を観た研究では、サンドブラスト処理をしたチタンにおいてDNAへのRIの取り込みが高かったが、0.5μmと3.0μmとの差はなかったとしている。以上の論文検索から得られた結果、明らかな最良の表面特性は示されていない。しかし、インプラント体の表面粗さは、インプラント体と周囲骨組織との間に形成される骨接合のためには、非常に重要なものであることは明らかであった。今後更なる高度な技術によるナノレベルでの検索が待たれる。
2009-10-24

インプラント体表面粗さが埋入後のインプラント体周囲での骨組織形成に関与する生化学的活性に及ぼす影響

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