フリーストール牛舎における搾乳・乾乳牛の1日当たり糞尿排泄量

概要

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畜産草地研究所内のフリーストール牛舎を用いて、通常の飼養管理条件下において、搾乳牛群並びに乾乳牛群の飼料摂取量と糞尿排泄量を実測した。搾乳牛は乾物で1頭当たり平均22.5±1.5kg/頭/日のTMRを摂取した。集められた搾乳牛の糞尿量は1頭当たり生重で64.1±7.4kg/頭/日、乾物では8.8±1.1kg/頭/日、水分含量は86.3%(最小85.0-最大87.5%)であった。同様に、乾乳牛は乾物で平均10.6±0.6kg/頭/日のTMRを摂取した。乾乳牛の排泄した糞尿は生重で37.7±3.5kg/頭/日、乾物で4.9±0.3kg/頭/日、水分含量は86.8%(同86.2-89.3%)であった。今回搾乳牛群で測定された糞尿中の水分含量は約90%という従来のマニュアル等での推計値より低く、堆肥化処理の際の水分調整に必要なオガクズ投入量は約2割削減できると推定された。実際の畜産農家では糞尿並びに仕上がり堆肥の貯留容積に余裕がある場合は少なく、経済的観点から副資材をふんだんに使用できる経営は限られることから、フリーストール牛舎における糞尿処理を考える時に、水分含量の見積もりについては今回の結果も踏まえ十分に留意すべきであると考えた。
2009-09-25