飼料摂取量および注射痛が牛を音響誘導するための食餌性件反応に及ぼす影響
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概要
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牛を音で誘導するときの食餌性条件反応に対する飼料摂取量および注射処置の影響を明らかにする目的で,オペラント条件づけ手法を用いた試験を実施した.Y字型迷路の左右の選択路の入口にそれぞれスピーカーを取り付け,牛が音の鳴っている選択路の方に進入するという条件反応を濃厚飼料を報酬にして形成した.この学習の後,音響誘導に前もって供試牛にヘイキューブまたは濃厚飼料を摂取させた場合,次いで調査の直前に1回だけ迷路で牛に正しい選択をさせて牛が濃厚飼料を採食している時に尻部に注射をした場合における条件反応の変化を正選択数,誤選択数,無選択数および選択所要時間を指標にして調べた,得られた結果を要約すると次のとおりである.1)飼料摂取量の増加は,正選択数の減少,無選択数や誤選択数の増加,選択所要時間の遅延など条件反応の実行水準を低下させた.また,条件反応の実行に悪影響が出始めた摂取量はヘイキューブの場合が4kg(体重の1.18%),濃厚飼料の場合はそれより少ない1〜2kg(体重の0.27〜0.53%)であった.2)注射処置による条件反応の変化を空腹条件下と飼料摂取そのものの影響が出始める前の摂取量条件下で検討したが,いずれの条件下でも注射処置による正選択数の減少や選択所要時間の遅延は認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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