未破裂脳底動脈先端部動脈瘤の自然経過と外科治療

概要

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過去10年間の当院における未破裂脳底動脈先端部動脈瘤39症例(直達手術,コイル塞栓術,経過観察)の治療成績とその後の転帰について調査,検討し報告する.直達手術は7例に施行され,開頭クリッピング5例,ラッピング2例であった.コイル塞栓術は10例に施行され,8例がcomplete occlusion,1例がneck remnant,1例がdome fillingであった.直達手術群における永続性合併症はクリッピングを施行された1例で生じ(動眼神経麻痺),長期経過においてラッピング術を施行した1例に破裂を経験した.コイル塞栓群では治療合併症はなく,術後画像評価において所見の増悪や破裂は認められなかった.外科治療群全体における治療合併症,治療後の破裂率ともに5.9%という結果であった.一方,経過観察群22例においては6例(27.3%)と高率に破裂を経験した(年間破裂率9.2%).未破裂脳底動脈先端部動脈瘤は破裂しやすく,積極的に治療を考慮する必要がある.
日本脳神経外科コングレスの論文
2009-09-20