奄美大島マングローブ林の植生と立地の関係およびメヒルギ林の炭素蓄積量
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概要
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奄美大島住用川・役勝川河口に成立するマングローブ林において,植生と地形環境との対応関係を明らかにするため,2本のトランセクト沿いに地形断面測量と植生調査を行った。また,トランセクト付近の3地点に調査区を設置し,地上部および地下部炭素貯留量の見積もりを行った。マングローブ林として,メヒルギ群落とオヒルギ群落,バックマングローブ林として,サキシマスオウノキ群落が認められた。河岸側前縁部の地盤が低い立地にメヒルギ群落典型下位群落,その背後にメヒルギ群落オヒルギ下位群落もしくはオヒルギ群落典型下位群落,最高高潮位よりも低位なアナジャコ塚上にオヒルギ群落シマシラキ下位群落,最高高潮位よりも高位にまで発達した塚上にサキシマスオウノキ群落が成立しており,微地形に対応した群落タイプの違いが見られた。メヒルギ群落は地盤高-10.0cm〜56.3cm,オヒルギ群落は31.5cm〜100.5cmの範囲に成立していた。よって,メヒルギの分布域がオヒルギよりも低位にあることが明らかになった。3地点から得られたメヒルギ林の地上部炭素貯留量は14.3〜36.6tC/ha,深度70cmまでの地下部炭素貯留量は97.2〜111.2tC/haで,それぞれ,熱帯のマングローブ泥炭が堆積するRhizophora林の10〜20%,20〜30%であった。このように,メヒルギ林の地下部炭素貯留量は,地上部炭素貯留量よりも大きく,他のマングローブ種同様,メヒルギ林においても地下部が炭素貯留の場として重要な役割を担っていることが明らかになった。
- 森林立地学会の論文
- 2004-06-25
著者
-
川西 基博
立正大学地球環境科学研究科オープンリサーチセンター
-
藤本 潔
森林総合研究所
-
藤本 潔
森林総研
-
藤本 潔
南山大 総合政策
-
藤本 潔
南山大学総合政策学部
-
藤本 潔
森林総合研究所森林環境部
-
川西 基博
横浜国立大学環境情報学府
-
石原 修一
横浜国立大学環境情報学府
-
渡辺 亮
横浜国立大学大学院工学研究科
-
田中 伸治
岐阜大学大学院農学研究科
-
田中 伸治
岐阜大学大学院農学研究科:(現)岐阜県中濃地域農山村整備事務所
-
渡辺 亮
横浜国立大学大学院工学研究科:(現)(株)国土環境
-
川西 基博
立正大学地球環境科学研究科オープンリサーチセンター:(現)鹿児島大学教育学部
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