高齢者への援助が免疫機能とストレスに及ぼす影響(第1報) : 通所リハビリテーション施設における入浴とコミュニケーション

概要

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本研究の目的は、日常生活において欠かせない入浴およびコミュニケーションによる援助が、高齢者の免疫機能とストレスにどのような影響を及ぼすかについて明らかにすることである。対象者は、通所リハビリテーション施設を利用している認知症を持つ高齢者5名と脳血管障害後遺症を持つ高齢者10名の15名である。方法は、入浴及びコミュニケーションによる援助を提供し、その前後に唾液を採取して平板内単純免疫拡散法(SRID法)により唾液IgAと唾液コルチゾールの値を求めた。結果は、入浴により唾液IgAが7.4mg/dLから11.2mg/dLに上昇し、唾液コルチゾール値が1.1ng/mLから1.05ng/mLにわずかに下降を示した。また、コミュニケーションにより唾液IgAが5.5mg/dLから15.4mg/dLに上昇し、唾液コルチゾール値が0.7ng/mLから0.8Ng/mLと下降を示さなかった。これらのことから、高齢者への入浴とコミュニケーションによる援助は、免疫力を高める効果が早期に発現し、ストレスへの緩和効果は、入浴においてのみわずかに発現される結果であった。また、入浴は、脳血管障害後遺症を持つ高齢者の免疫力を高めにくく、ストレスの緩和効果は得やすい傾向があることが示唆された。
群馬パース大学の論文