高齢者の住居移動による自尊感情の実態調査 : 呼び寄せ高齢者と地元高齢者の比較
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概要
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高齢者がいかに健康で長寿を全うするかは重要なことである。1980年以降、1990年代から、高齢期に転居率が高まる現象が注目されるようになり、都市部に暮らす子どもの元に高齢者が呼び寄せられるという現象が起こり始めた。その後の変化が危惧される。本研究では、「呼び寄せ高齢者」と「地元高齢者」との比較を行い、高齢者の自尊感情を明らかにすることをめざして、予備調査を行うことを目的とした。研究方法は、Rosenbergの自尊感情尺度(Self-Esteem Scale)を用いて、街頭調査法によるインタビューを実施した。その結果、「呼び寄せ高齢者」の自尊感情は27.8±4.8(mean±SD)、「地元高齢者」の自尊感情30.8±2.2(mean±SD)を比較して、「呼び寄せ高齢者」の自尊感情は有意に低いことが示唆された。また、「呼び寄せ高齢者」の自尊感情は、「自分はてんでだめだ」「自分は失敗者だと思いがちである」ことに影響していた。そして、関連要困においては、住居移動時の自己選択の程度や、家族及び社会における役割の有無、友達や後悔の程度など、環境の変化が自尊感情に影響を与える可能性があることが示唆された。今回の予備調査は、より確かな調査を可能にするための多くの示唆を得ることができた。
- 群馬パース大学の論文
- 2006-09-30
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