看護系大学生の災害時生活体験における学習効果に関する研究
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概要
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本研究の目的は、災害時生活体験学習を実施して1年4か月を経て、再度看護系大学生に災害への準備行動に関するアンケート調査を実施し、(1)科目受講者と未受講者間の災害準備状況の違いを明らかにすること、次に、(2)受講者のなかの災害準備実施者と非実施者間の体験学習終了レポートの特徴と認識の広がりの特徴を明らかにすることを目的とした。研究対象者は、看護系大学3年生の70名で、科目受講者33名、同学年同クラスの科目未受講者37名(男性17名、女性53名)である。研究方法および分析方法は、集合調査法による「災害への準備行動に関するアンケート調査」、資料の比較にはWilcoxonの符号付順位検定を用いた。体験学習終了レポートの分析は一文一意味を記録単位として類型化した。その結果、体験学習受講者と未受講者間には災害準備行動において有意差が認められた。また、災害への準備行動を実施していた学生の体験学習終了レポートは、記載量が多く、詳細で、記述された思考プロセスには認識の具象化、表象化、抽象化による「のぼりおり運動」が自在に活用されていたことから、災害への準備行動への方略の一つに、認識力を鍛えることの有効性が示唆された。
- 群馬パース大学の論文
著者
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高木 タカ子
群馬パース学園短期大学
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兎澤 惠子
群馬パース大学
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吉岡 敏子
群馬パース学園短期大学
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保坂 由美子
群馬パース大学
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高木 タカ子
群馬パース大学保健科学部看護学科
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兎澤 恵子
群馬パース学園短期大学
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