野生エゾシカの給餌飼料の補充停止が樹皮食害に及ぼす影響
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概要
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北海道釧路市阿寒町阿寒湖畔において,1999年からエゾシカによる樹皮食害を防止するためにビートパルプを給餌しており,年々増え続ける給餌量が問題になっている。給餌飼料の削減を目的とする給餌停止が樹皮食害,餌場利用個体数および隣接する餌場利用に及ぼす影響を調べた。給餌停止期間は2004年,2005年にそれぞれ2回ずつ設けた。給餌停止餌場は給餌を継続している餌場から1ヵ所ずつ選定した。給餌停止餌場から隣接餌場への移動は,餌マーカーにより調べた。2004年は給餌停止3日目に給餌停止餌場で微害が確認された。2005年では給餌停止4日目に給餌停止餌場で微害が確認され,隣接餌場では中害が確認された。2005年において,給餌停止餌場の利用個体数が減少し,隣接餌場で個体数が増加した。給餌再開後,個体数は給餌停止前の水準に戻った。餌マーカーにより,給餌停止期間中に隣接する餌場への移動が確認された。以上のことから,2004年と2005年の調査では異なるが,給餌停止期間は最大で3日間設けることが可能であり,それを超えると樹皮食害が発生した。
- 2008-12-25
著者
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相馬 幸作
東京農業大学生物産業学部
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増子 孝義
東京農業大学生物産業学部
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工藤 博史
東京農業大学生物産業学部
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石川 晴和
東京農業大学生物産業学部
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高崎 ゆかり
東京農業大学生物産業学部
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西田 力博
前田一歩園財団
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新井田 利光
前田一歩園財団
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北原 理作
東京農業大学生物産業学部
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新部 昭夫
東京農業大学国際食料情報学部
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新部 昭夫
東京農大
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増子 孝義
東京農大 生物産業
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相馬 幸作
東京農業大学生物産業学部生物生産学科動物生産管理学研究室
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相馬 幸作
東京農業大学
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増子 孝義
東京農業大学
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