文化心理学と随伴性
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概要
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文化心理学は、文化を生きることを可能にする心の性質を解明することと、文化の心理的基盤を実証、つまり、心と文化の相互構成の関係を明らかにすることを目的としている。心は、つまり、自己は、文化的に誘導され可能にされ、そして、社会を生きることを通じて形成されるという作業仮説をもち、文化と自己、意味空間、感情などの現象が研究されている。一方、行動分析学においては、文化は、随伴性の観点において、社会的環境として取り扱われ、習慣、マナー、儀式、食生活などの行動が研究されている。文化心理学の目的を、随伴性の観点によって換言すると、文化を生きることを可能にする心の性質とは、ある文化において、強化される可能性を高める行動と、罰を受ける可能性を低める行動のことであり、また、心と文化の相互構成の関係とは、そのような行動を形成・維持.変容する手続きを行う行動自体が、その文化内で条件づけられるということである。文化心理学において、これらの随伴性の観点による分析を利用することは、文化と行動の関係をより具体的に研究すると同時に、それぞれの現象を条件づけの手続きへ還元することを意味し、有意義なことであろう。
- 駒澤大学の論文
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