カナダBC州における戦後の林業政策と大手林産企業の発展過程 : 王室委員会報告の方針とTFLsの展開を中心として
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概要
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カナダ・BC州は,1990年代に入り,森林と環境の保全を重視する政策を相次いで打ち出したが,なお今日の大手林産企業の林業経営に対して,州民の根強い不満等が存在している。そこで本報告は,'40〜'80年代のTree Farm Licencesを中心とした大手企業の実態と,その展開過程を明らかにすることを目的とした。その結果,大手企業の発展の特徴は,企業自身が単に経済性の論理を内部努力のみで追求しただけではなく,州政府がそのパートナー役として,制度的な面から企業を強力に支えてきたという点に大きな特徴を持っていた。TFLsの認可とAACの配分,安価な木材払い下げ価格の設定等々の大企業優遇策は,産業内部での効率化と企業再編を進める原動力となり,機械の高度化と新たな設備投資に伴う生産コストの引き下げ,労働生産性の向上,工場生産能力の増大等を実現し,大量生産型システムを完成させた。このため木材生産に伴う大規模な森林開発は,今後も引き続き避けられない実状にあることを示した。
- 林業経済学会の論文
- 2002-11-01
著者
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