中国におけるニホンカラマツ高齢林分の解析からみた長伐期施業の可能性

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概要

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中国北方地域では,環境問題や水資源の不足等により,多くのニホンカラマツ人工林が皆伐禁止の環境公益林に指定された。そこで,本研究では中国遼寧省に個所的に残存している旧満州時期に造成されたニホンカラマツ高齢林分を調査し,ニホンカラマツ林の長伐期施業の可能性を検討した。調査した60〜86年生林分は日本の同一立地条件のカラマツ林より林分密度がやや高かった。しかし,いずれも胸高直径30cm以上の大径木の構成比が90%以上であった。また,立木の胸高直径連年成長は停滞していなかった。今後,適切な間伐を行えば,胸高直径成長量を増大させ,大径木化を促進することができると考えられる。また,各林分内に更新した有用広葉樹の種類や本数の多さから,長伐期施業に伴い針広混交林への誘導も可能と考えられる。これらの事例により,中国におけるニホンカラマツ短伐期施業林に対し長伐期施業の適用は可能と考えられる。
2003-03-31

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