カナダBC州における近年の森林経営の動向と課題(1998年例会論文)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
BC(ブリティッシュコロンビア)州政府は,州経済の支柱である林産業に対し,強力な支援のもとにその発展を進めてきた。しかし企業の林業経営に対する手厚い優遇策は,州内の環境・土地問題に対立を引き起こし,一方で対合衆国との貿易摩擦を生んだ。そして今日,政府は政策的イニシアティブを発揮しつつ,新たな森林経営としてForest Practices Codeを導入した。この主な特徴は,森林経営の制度的手続きとして,1.計画立案段階での林業経営体に対する要求項目の増大,2.計画内容のチェックの強化,3.住民参加,4.独立した検査機関の設置と罰則の強化,また森林施業においては,1.環境保全を重視した多様な作業法の導入,2.皆伐による伐開面積の縮小,3.林地の連続的皆伐の禁止,4.造林・保育の強化,等である。しかし州全土の大半を占ある州有地において,その経営の主体は大企業であって,森林資源の寡占化や企業に有利な森林の分配が続いており,加えて企業によって実施されるべき伐採後の不成績林地は増大する傾向にある。そのため制度や施業規程は改善されたとはいえ,実際の経営面では多くの課題を残している。
- 1998-10-01
著者
関連論文
- カラマツ人工林における個体間競争が直径成長と枯死に及ぼす影響
- 「生態公益型国有林場」の経営実態に関する研究--河南省薄山生態公益型国有林場の財政的側面に関する考察
- カラマツ大径材生産を目的とした強度間伐の有効性
- カナダBC州における戦後の林業政策と大手林産企業の発展過程 : 王室委員会報告の方針とTFLsの展開を中心として
- 日本最古のカラマツ人工林における応力波伝播速度測定による生立木の腐朽診断
- 中国東北部の森林資源の利用と開発に関する歴史的研究(2)集中的計画経済後半期(1963〜1980)の木材生産の暴走とその原因について
- 中国東北部の森林資源の利用と開発に関する歴史的研究(1)集中的計画経済前半期(1949〜1962)の木材増産とその促進要因について
- 人工下種更新によるカラマツ幼齢林の成長
- 解説 中国におけるカラマツ林業の現状と課題
- Gompertz型自己間引き曲線の係数推定
- カナダBC州における近年の森林経営の動向と課題(1998年例会論文)
- 木曽谷流域における流域管理システムの現状と課題(自由論題論文,1995年秋季大会)
- 「追い風」というけれど……--新森林・林業基本法下での林業の動向と課題 (私の語りたいこと)
- 中国におけるニホンカラマツ高齢林分の解析からみた長伐期施業の可能性
- 浅間山カラマツ植物群落保護林の成長履歴および材質特性
- 中国におけるニホンカラマツ高齢林分の解析からみた長伐期施業の可能性
- 長伐期大径化施業へ向けた壮齢カラマツ人工林の強度間伐に関する研究
- 中国におけるカラマツ林業の現状と課題
- 中国東北部の森林資源の利用と開発に関する歴史的研究(I) : 集中的計画経済前半期(1949〜1962)の木材増産とその促進要因について
- 中国東北部の森林資源の利用と開発に関する歴史的研究(II) : 集中的計画経済後半期(1963〜1980)の木材生産の暴走とその原因について
- カラマツ人工林の長伐期大径材生産へ向けた疎植多間伐型施業に関する研究
- 奈良県川上村におけるスギ人工林施業の分析 : 高原地区・A氏の事例を中心として
- 「重点地域における早生多収穫用材林基地の整備工程」の実態に関する研究 : 華北平原農業区農家の林業経営分析を事例として
- 「生態公益型国有林場」の経営実態に関する研究 : 河南省薄山生態公益型国有林場の財政的側面に関する考察
- 1998年度森林計画学会夏季セミナー : 木曽国有林 : 施業の多様化に向けて(木曽国有林-施業の多様化に向けて-)
- 無念,魚住侑司先生(会員の広場)
- 1998年度森林計画学会夏季セミナー「木曽国有林-施業の多様化に向けて-」
- 中国におけるニホンカラマツ高齢林分の解析からみた長伐期施業の可能性
- 日本最古のカラマツ人工林における応力波伝播速度測定による生立木の腐朽診断
- 総合討論記録
- 森林利用学会シンポジウム報告