木曽谷流域における流域管理システムの現状と課題(自由論題論文,1995年秋季大会)
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概要
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1991年の森林法改正によって流域管理システムが打ち出され,同時に改善計画も改定されるにおよんで,国有林野事業の民間実行の徹底と官民一体となった事業運営が取り上げられた。しかし,国有林地帯において期待されるような動きは見られていないように思われる。そこで本報告は,木曽谷流域を事例地として国有林地帯における流域管理システムの問題点を考察した。木曽谷流域は,天然ヒノキ資源の減少により人工ヒノキの利用への転換が流域全体の大きな課題となっている。しかし,流域林業活性化センター設置から4年目になる現在においても,産地形成に向けた具体的な動きは見られない。その背景には,水流域の木材産業が国有林依存型の天然優良材産地として発展してきたために,今なお国有林特有の資源管理や販売形態に規定されており,このことが人工林材の地元製品化を困難にしており,流域管理システムにおいてこれらに対する具体的な対応策が行われていないことが挙げられる。
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