介護労働の実態とその継続条件を考える
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概要
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2007年は、介護の専門職としての介護福祉士が誕生してから20年を迎えている。介護福祉士は看護師や保育士と比較して浅い歴史しかない。本学は、すでに700名余りの卒業生(前身の専門学校を含む)を送り出し、15年経過している。そこで、介護福祉の創設期を担った卒業生がどのように考え、働いているか、仕事を継続できる条件は何かを明らかにする目的で調査を行った。調査では、施設での夜勤を伴う介護は、心身ともに緊張感が高いことや、6割近くの介護職が入浴介助を負担となっている実態等が明らかになった。しかし、介護福祉士は生活をする上で援助が必要な人へのかかわりを通して、自らの成長を実感できる仕事であると、回答も得ている。介護福祉士養成は基本的には国の義務である。介護福祉の仕事が若者に敬遠されることの無いよう、心身ともに健康で働き続けることができる労働条件の確保が不可欠である。現行の職員配置基準や夜勤体制の規制など、国や自治体、施設が行うべき課題は多い。養成校としての教育内容の検討も必要である。希望に燃えて介護福祉士職を選んだ若者の仕事を継続できる環境づくりが急務である。
- 大阪健康福祉短期大学の論文
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