介護福祉士における「生命倫理」
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本学のカリキュラムには「尊厳ある介護」の実践に必要な倫理観や感性を育てるための「介護福祉士のための生命倫理」をもうけている。介護の対象者は、障害のある方や高齢の方で医療との結びつきも深く、介護を行う上での判断やかかわりが生命と直結しているという特徴がある。介護の現場では「尊厳」が問題となる場面が少なくない。現状を把握し、問題点を発見し、的確な判断や最善の方法を選択できるものの見方、考え方が必要となる。それらへの対応の根底に横たわる「生命倫理」は、様々な学問分野からアプローチされているが、生命にかかわる介護の倫理という視点で、介護福祉の分野から「生命倫理」を考えていきたい。介護福祉士にとっての「生命倫理」は、基本的に「人間理解を深化・拡充すること」である。その方法の一つとして、すぐれた文学作品(『蕨野行』、『病状六尺』、『ニーナのねがい』)を読むことや、当事者の表情・発言を重視した内容をとった。これらの文学作品には「老いること」、困難な状態にあってもなお、「尊厳をもち、生きていくこと」のモデルがある。多様な価値観を学び、人間理解を深化・拡充し、共感することで、自尊感情を大切にした尊厳ある介護が行えると考えている。
- 大阪健康福祉短期大学の論文
著者
関連論文
- 高齢者介護施設における介護労働者の腰部負担
- 「老人福祉論」の授業における二つの試みと考察 : 高齢者・障害者への観察力・想像力を育む
- 特別養護老人ホームにおける介護機器導入の現状に関する調査報告 : 大阪府内の新設施設の訪問調査から
- D110 特別養護老人ホームにおける介護機器の現状 : 新設施設の訪問調査から
- 介護福祉士における「生命倫理」
- 本学卒業生が直面する現場課題
- 高齢者介護施設における夜勤、残業の現状と課題
- 介護従事者の労働実態とバーンアウト
- 介護労働の実態とその継続条件を考える
- 介護人材育成講座(第91回)人間と社会
- 高齢者介護従事者の定着の条件について
- 高齢者介護サービス従事者の腰痛および頸肩腕等の症状訴え
- 『山桐のごとく香を放ち』・『続・山桐のごとく香を放ち』にみる高濱介二先生のあゆみと業績
- 『異質の光』-糸賀一雄の魂と思想-, 高谷清著, 大月書店, 2005年4月
- 異学年で構成する社会福祉ゼミの実践例
- 高齢者福祉施設における介護相談員活動の現状と課題 : 福祉オンブズ活動の経験をふまえて
- 介護福祉士における「生命倫理」
- きこえの障害に配慮のある高齢者福祉施設 : ろう者の老人ホーム (小坂淳子名誉教授記念特集)
- きこえの障害に配慮のある高齢者福祉施設 : ろう者の老人ホーム[含 小坂淳子名誉教授業績](小坂淳子名誉教授記念特集)