視覚誘導性行動時における向網膜神経細胞の活動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鳥類の中脳峡部に存在する向網膜ニューロン(IOニューロン)は対側網膜に投射し,網膜出力の局所的ゲイン増強に関与している.今回我々は視覚探索課題遂行時のウズラのIOニューロンの単一ユニット活動を記録した.事前にモニター上の点滅する光点を用いてIOニューロンの受容野をマップした.視覚探索時,標的刺激を受容野内に呈示するとIOニューロンは一過的に応答した.このような受動的な反応以外にも,IOニューロンは受容野内に呈示された標的刺激へ定位する頭部サッケードの直前200msの間,自発的に発火していた.逆に,受容野外に呈示された標的刺激への頭部サッケードの直前には,IOニューロンの活動は抑制されていた.このようにIOニューロンは,標的刺激を受容する網膜領域の局所的ゲインを増強させ,能動的視覚探索に寄与していると考えられる.
- 2008-03-06
著者
関連論文
- モデル・シミュレーションは脳の理解にどう役に立つか(前編)
- WTA 回路の生物学的実現 : 向網膜神経核の神経構築
- WTA回路の生物学的実現 : 向網膜神経核の神経構築
- 視覚誘導性行動時における向網膜神経細胞の活動
- 視覚探索における向網膜系の寄与
- 向網膜系の網膜内神経回路の神経構築 (MEとバイオサイバネティックス)
- 頭部無拘束ウズラの向網膜ニューロンの活動パターンと頭部運動との相関
- 向網膜神経細胞の活動と頭部運動の相関(医・工学連携における新しい計測・解析技術開発への期待)
- ウズラ網膜出力ニューロンの符号化様式
- 網膜神経節細胞の受容野の時間特性 : 白色雑音と多相ランプ光による解析
- 網膜神経節細胞の受容野の時空間特性 : Spike triggered average法による解析
- ウズラ網膜出力細胞の受容野の時空間構造
- 鳥類網膜のtransient型神経節細胞の光応答特性
- 向網膜神経細胞の活動と頭部運動の相関
- 向網膜神経細胞の活動と頭部運動の相関
- 視覚誘導性行動時の向網膜ニューロンの活動
- 向網膜系と選択的注意の形成
- 仮想2次元空間ナビゲーション時の左右定位
- 計算論的神経構築学の提案
- ON-OFF型網膜神経節細胞の発する明暗符号の謎
- 左右定位能力の定量化の試み
- ON-OFF型網膜神経節細胞の受容野構造と符号化様式
- 基本競合系としての向網膜神経核
- 変化や運動をコードする網膜出力ニューロンの受容野の時空間構造
- 科学に介入する「常識」
- 視覚探索における向網膜神経核損傷の影響
- 向網膜系の網膜内神経回路の神経構築
- 向網膜系の網膜内神経回路の神経構築
- 視覚探索における向網膜神経核損傷の影響
- モデル・シュミレーションは脳の理解にどう役立つか (後編)