変化や運動をコードする網膜出力ニューロンの受容野の時空間構造
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概要
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鳥類の網膜神経節細胞(RGC)の受容野の時空間構造を解析した. 記録したRGCの大部分を占めるon-off RGCでは刺激光のon-set時に反応を示すon領域とoff-set時に反応を示すoff領域は一致していた. また方向選択性を示すRGC(DS RGC)を含めた大部分のRGCでは反応時間内にon, off領域ともに移動しなかった. 受容野の周辺には抑制野が存在し, 抑制野への刺激は受容野への刺激に対する反応を抑えた. この受容野に対する抑制のピークには約l00msの遅れがあった. 非DS RGCでは受容野の中心と抑制の中心はほぽ一致していたが, DS RGCでは抑制野は最大応答方向(preferred direction)にずれていた. この抑制野の空間的なずれが方向選択性を形成している可能性がある.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-01-25
著者
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内山 博之
鹿児島大学工学部
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松延 広幸
鹿児島大学工学部情報工学科
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内山 博之
鹿児島大 工
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金谷 尚秀
鹿児島大学工学部情報工学科 科学技術振興事業団さきがけ研究21「知と構成」領域
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木下 真知
鹿児島大学工学部
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園畠 将一
鹿児島大学工学部
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中村 真二郎
鹿児島大学工学部情報工学科
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松廷 広幸
鹿児島大 工
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