熊本県阿蘇地方におけるスギ人工林の根株腐朽被害に関与する担子菌類
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概要
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熊本県阿蘇地方におけるスギ人工林の根株腐朽被害の原因となる菌を明らかにするため40〜83年生の12林分で腐朽伐根から菌株を分離し,主要な分離菌の諸性質について調査した。調査林分では,形態的特徴の異なる8種の担子菌が分離され,そのうち2種の担子菌(担子菌Aと担子菌B)が主要なものであった。担子菌Aは南小国町1の林分で比較的高い頻度で分離された。担子菌Bはすべての調査林分で高い頻度で分離されたことから,阿蘇地方で広範囲に分布しているものと推察された。腐朽力試験の結栄,担子菌A,Bはともに木材腐朽力を有することが明らかとなった。これらのことから,阿蘇地方におけるスギ根株腐朽被害には,少なくとも担子菌Aと担子菌Bが関与していると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 2007-06-01
著者
-
大谷 慶人
高知大学農学部
-
阿部 恭久
(独)森林総合研究所九州支所
-
阿部 恭久
森林総研
-
佐橋 憲生
森林総合研究所九州支所
-
服部 力
森林総研
-
野口 琢郎
愛媛大学大学院連合農学研究科
-
服部 力
(独)森林総合研究所
-
佐橋 憲生
(独)森林総合研究所九州支所
-
服部 力
Forestry and Forest Products Research Institute
-
服部 力
森林総合研究所関西支所
-
阿部 恭久
(独)森林総合研究所 森林微生物研究領域
-
Ohtani Y
Kochi Univ. Kochi Jpn
-
野口 琢郎
熊本県林業研究指導所
-
服部 力
森林総合研究所腐朽病害研究室
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