アカネズミによるスギ人工林へのマテバシイの堅果の二次散布
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概要
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スギ人工林へのマテバシイの侵入に係わる野ネズミの働きを解明するため,2003年4月から2005年1月まで,鹿児島大学演習林内の常緑広葉樹林とそれに隣接するスギ人工林において,堅果の落下状況,野ネズミによる堅果の散布状況,マテバシイ稚樹の生育状況を調査した。自然落下による分散距離は平均2.4m,人工林への侵入距離は最大4.4mであった。2003年と2004年の秋に200個ずつ設置した磁石付き堅果のうち,それぞれ66個,58個を野ネズミは人工林内に運搬し,林分の境界から貯食場所までの距離は,2003年は最大34.5m,2004年は18.5mであった。2003年の貯蔵堅果のうち6個は翌春まで人工林内に残存した。人工林内のマテバシイ椎樹の生育密度は林分の境界から距離とともに減少したが,境界から10m以内は広葉樹林内と有意差がなかった。以上のことから,人工林へのマテバシイの侵入に野ネズミは種子散布者として大きく貢献していると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 2007-04-01
著者
-
平田 令子
鹿児島大学大学院連合農学研究科
-
畑 邦彦
鹿児島大学農学部
-
曽根 晃一
鹿児島大学農学部
-
中村 麻美
鹿児島大学大学院農学研究科
-
高松 希望
鹿児島大学大学院農学研究科生物環境学専攻
-
渕上 未来
鹿児島大学農学部
-
高松 希望
鹿児島大学大学院農学研究科
-
平田 令子
鹿児島大学大学院農学研究科
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