<論文>4. 接触させたクロマツ個体間におけるマツノザイセンチュウの移動
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概要
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マツノマダラカミキリの関与しないマツノザイセンチュウの伝播の可能性を明らかにするため, 線虫を接種したクロマツ苗木と接種しなかった苗木(隣接個体)の枝または幹を人工的に接触させ, 個体間でのマツノザイセンチュウの移動について調査した。接触部位で個体間の癒合が生じていなくても, 接触のみでマツノザイセンチュウの移動が可能であった。移動率は, 接触19日後に接種を行ったペアで46.2%, 接触と同時に接種を行ったペアで50.0%となり, 接種57日後に接触を行ったペアでは35.3%となったが, 接触と接種のタイミングによる移動率の差はなく, 接触面で固まった樹月旨の影響は少ないと考えられた。また, 1日間の接触のペアでは移動は確認されなかったが, 1〜4週間接触を行った場合, 50.0〜57.1%とはぼ一定の割合で移動が生じた。このことは,マツノザイセンチュウのクロマツ個体間移動には少なくとも2,7日間の接触が必要であることを示唆している。
- 鹿児島大学の論文
- 1998-12-25
著者
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