鹿児島県垂水市周辺におけるサギ類のコロニーや塒の利用と採食場所選択
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
2004年3月から12月にかけて,鹿児島県垂水市浜平から鹿児島市桜島町にかけての一帯で,サギ類のコロニーと塒の分布とその利用状況,および採食場所の選択性について調査した。調査地では,ゴイサギ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギの7種のサギが確認できた。その中では,コサギとアオサギの観察数が著しく多かった。アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギが利用する採食場所の環境には差がみられた。アオサギとアマサギは特定の環境に高い選択性を示し,それぞれ海上の養魚場と農地を主な採食場所として利用していた。それに対し,他の3種類のサギでは,特定の環境に対する選択性がアオサギやアマサギほどは高くなかった。チュウサギは主として河川と農地で採食していた。コサギとダイサギは養殖場での採食が最も多かったが,海岸部,河川,農地での採食もかなりの頻度で観察された。調査地内には,7カ所のコロニーまたは塒が存在し,ほとんどの場合は2種類以上のサギが利用していた。コロニーは,ある程度の広がりを持ち,人や外敵の侵入が困難であると考えられる林分に作られていた。塒が作られていた林分はコロニーより狭く,採食場所に近いところに位置していた。塒の存在は,コロニーより不安定であった。これらの結果をもとに,サギ類の保護と人間生活の共存の方策について議論した。
- 鹿児島大学の論文
- 2005-12-01
著者
関連論文
- 果実食性鳥類による針葉樹人工林への種子散布
- 赤外線センサーカメラの野生鳥獣調査への応用 : 野ネズミの採餌行動調査を中心として
- マツノマダラカミキリ成虫の昆虫病原性糸状菌Beauveria bassiana感染によるクロマツ枯損防止効果
- アカネズミによるスギ人工林へのマテバシイの堅果の二次散布
- MEP-MCの空中散布によるマツノマダラカミキリ成虫の死亡率の推定
- ボーヴェリア培養型不織布製剤によるマツノマダラカミキリ成虫駆除効果を高める被害材の被覆方法の検討
- 共生・寄生性二形性真菌の形態と生態に関する研究(平成18年度共同利用研究報告)
- 05-33 共生・寄生性二形性真菌の形態と生態に関する研究(平成17年度共同利用研究報告)
- 南九州におけるBeauveria bassiana培養シート型不織布製剤のマツノマダラカミキリ成虫駆除への適用試験
- 鹿児島県垂水市周辺におけるサギ類のコロニーや塒の利用と採食場所選択
- 桜島で捕獲されたマツノマダラカミキリから抽出されたマツノザイセンチュウの病原性
- X線断層撮影法(CTスキャン)のカシノナガキクイムシの坑道調査への応用
- アカネズミの貯食の空間配置
- 5. 野ネズミによるドングリの採食と運搬(英文)
- カシノナガキクイムシの繁殖成功に与える坑道作成開始時期の影響
- サンケイ式昆虫誘引器を改良したマツノマダラカミキリ生け捕り用トラップ
- 4. 接触させたクロマツ個体間におけるマツノザイセンチュウの移動
- マツ枯れは森の感染症 森林微生物相互関係論ノート, 二井一禎, 2003, 文一総合出版, 222pp., 2,625円(税込), ISBN4-8299-2183-8
- 3. マテバシイの結実パターン
- 5. マツノザイセンチュウ抵抗性と材線虫の初期侵入個体数
- 果実食性鳥類の糞の分析と針葉樹人工林への種子散布