ボーヴェリア培養型不織布製剤によるマツノマダラカミキリ成虫駆除効果を高める被害材の被覆方法の検討
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概要
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2004年に表面にボーヴェリア培養型不織布製剤(不織布)を固定した被害材をさまざまな方法で被覆し,材から脱出した成虫の死亡率を比較した。材から脱出した成虫の捕獲後15日以内の死亡率(死亡率)は,材を市販のブルーシート(#1500)で覆っただけの場合(無施用区)86%で,さらに不織布を材表面に固定する(無開口区)と100%に上昇し,全捕獲個体でボーヴェリアが叢生した。シートに開口部を設けると死亡率は低下し,特にシートの上部中央に開口部を設けた場合,死亡率は無施用区と差がなかった。不織布を施用し生分解性シートで被覆した場合も死亡率は96%と高かったが,ボーヴェリア叢生率は21%と低かった。2005年の無施用区と無開口区では叢生率は37%と56%であったが,死亡率はそれぞれ80%,90%以上と2004年同様高かった。これらの結果から,不織布を表面に固定した被害材をブルーシートで被覆することで,極めて高い駆除効果を得られることが明らかになった。
- 2007-08-01
著者
-
畑 邦彦
鹿児島大学農学部
-
曽根 晃一
鹿児島大学農学部
-
樋口 俊男
日東電工(株)
-
富元 雅史
鹿児島大学大学院農学研究科
-
徳楽 貴洋
鹿児島大学農学部
-
松山 健太郎
鹿児島大学農学部
-
岡部 武治
井筒屋化学産業(株)
-
岡部 武治
井筒屋化学
-
樋口 俊男
日東電工
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