アカネズミの貯食の空間配置
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ドングリを分散貯蔵する森林性野ネズミにとって,貯食した餌を高い確率で回収し,貯食のフィットネスを高めるためには,貯食の空間配置も重要である。1993年4月から6月にかけて,東京都八王子市にある森林総合研究所多摩森林科学園内の広葉樹が混交するヒノキ人工林で,小型発信機を装着したマテバシイのドングリを設置し,ビデオカメラで野ネズミによるドングリの持ち去りを記録した。ドングリが持ち去られた場合は,ただちに受信機を用いて貯食場所を特定した。ヒメネズミはドングリを運搬できなかった。アカネズミ1個体が全てのドングリを運搬したが,最初の餌は設置場所近くに,以後は次第に遠方に貯食した。これらの結果から,このアカネズミは貯食のベネフィットとコストの差を最大にするような貯食の空間配置戦略を採っている可能性があることが示唆された。
- 2005-12-01
著者
関連論文
- 果実食性鳥類による針葉樹人工林への種子散布
- 赤外線センサーカメラの野生鳥獣調査への応用 : 野ネズミの採餌行動調査を中心として
- マツノマダラカミキリ成虫の昆虫病原性糸状菌Beauveria bassiana感染によるクロマツ枯損防止効果
- アカネズミによるスギ人工林へのマテバシイの堅果の二次散布
- MEP-MCの空中散布によるマツノマダラカミキリ成虫の死亡率の推定
- ボーヴェリア培養型不織布製剤によるマツノマダラカミキリ成虫駆除効果を高める被害材の被覆方法の検討
- 南九州におけるBeauveria bassiana培養シート型不織布製剤のマツノマダラカミキリ成虫駆除への適用試験
- 鹿児島県垂水市周辺におけるサギ類のコロニーや塒の利用と採食場所選択
- 桜島で捕獲されたマツノマダラカミキリから抽出されたマツノザイセンチュウの病原性
- X線断層撮影法(CTスキャン)のカシノナガキクイムシの坑道調査への応用
- アカネズミの貯食の空間配置
- 5. 野ネズミによるドングリの採食と運搬(英文)
- カシノナガキクイムシの繁殖成功に与える坑道作成開始時期の影響
- サンケイ式昆虫誘引器を改良したマツノマダラカミキリ生け捕り用トラップ
- 4. 接触させたクロマツ個体間におけるマツノザイセンチュウの移動
- マツ枯れは森の感染症 森林微生物相互関係論ノート, 二井一禎, 2003, 文一総合出版, 222pp., 2,625円(税込), ISBN4-8299-2183-8
- 3. マテバシイの結実パターン
- 5. マツノザイセンチュウ抵抗性と材線虫の初期侵入個体数
- 果実食性鳥類の糞の分析と針葉樹人工林への種子散布