都道府県別データを用いた入院発生率高位点推定
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概要
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入院発生率は,社会的要因の影響を受けやすいため,予定発生率の作成には慎重を要する。社会的要因による変動リスクが存在するという認識は共有されているものの,予定発生率に組み込む方法は,必ずしも一般化されてはいない。地域間のデータのばらつきを社会的要因による変動が集約されたものとみなし,発生率の90%をカバーする高位点の推定値を求めた。ブートストラップ法による推定は分布を仮定せず,目的とする高位点のデータを直接リサンプリングできるので,パラメトリックなモデルで発生する分布の不適合による推定の誤りは生じない。解析には,平成14年の患者調査における都道府県別年齢別入院発生率のデータを使用した。10歳階級であったため平滑化を試みた。若年者における跳ね上がり現象のため単純な指数関数での平滑化には,限界がある。跳ね上がり部分を矯正するための調整項をモデルに組み込むことにより,関数の適合度が向上した。改善すべき課題はあるものの,社会的要因による変動リスクを入院発生率推定へ組み込む考え方,および,跳ね上がりを含んだデータの平滑化につき,一定の方向感を示した。
- 日本保険医学会の論文
- 2008-06-17
著者
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