モンテカルロ法を用いた非独立多重リスクの解析
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概要
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複合リスクの実証データが存在しないときに,個別リスクのデータを用いて合理的に推定する方法は,新契約査定の重要なテーマである。従来リスクが独立であれば,評点を合算する方法が用いられてきたが,医的リスクは完全に独立ということは少なく,軽度ではあるが相関を有することが多い。非独立リスクをどのような前提条件の下に評価するのか,またその結果はどうなるかということに関しては,十分な研究がなされて来たとはいえない。今回多次元正規分布を用いたシミュレーションにより,多重リスクの挙動について解析を行なった。その際リスク因子が数個以内であれば,単純加算による数字査定法はよい近似であるが,リスク因子がさらに重層すれば実際のリスクと評価との乖離が大きくなることが示された。美点因子についても,因子の加重が進むと効果は減弱した。リスク因子と美点因子が混在するモデルでは,美点因子一個でも大きな美点効果が認められた。シミュレーション結果を実際のリスク評価に応用する際には,分布の適合性と頑健性についての配慮が必要である。
- 日本保険医学会の論文
- 2007-09-17
著者
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