精神薄弱児の保存概念形成に関する実験的研究
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概要
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精神薄弱児に保存概念を獲得させるためには、可逆性と相補性のどちらを指導した方がより効果的であるか、この2つはどちらを先にして組みあわせた方がよいか、について明らかにする。次に、精神薄弱児は体積の保存概念をもつことができないといわれているが、これを否定する論文(Lister,1969)もあり、この問題を検討する。被験児は軽度精神薄弱児で、これを等質な2グループにわけ、可逆性と相補性をべつべつに指導した。続いて2種類の体積の保存テストを課し、彼らが真に体積の保存を獲得できたかどうかをみた。結果、(1)保存概念の獲得のためには、相補性より可逆性を訓練する方が有効であった。(2)相補性と可逆性を組みあわせて指導するとき、どちらを先にしても同じ結果を生じた。(3)被験児の大部分は液量や重さの保存概念を獲得できたが、その転移効果として体積の保存は獲得できなかった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1979-03-15
著者
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