高校生の進路選択に関する教育臨床学的研究(2) : 進路形成過程における転機の存在とジェンダーの影響
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概要
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本研究は、ある商業高校での進路選択支援活動の事例から、生徒の進路選択におけるジェンダー要因の影響について新たな知見を導こうとするものである。支援活動の経過から我々は、支援を通じ生徒の進路意識が大きく変化する、いわゆる「転機」が見られたのは女子生徒だけであることを見いだした。本研究は、この転機の事例分析を通じて、進路多様校における女子生徒は2重の意味で「大学に行っても仕方がない存在」として価値剥奪されており、支援を通じて、彼女たちが被差別者の「アイデンティティ問題」として大学進学に取り組むようになることを明らかにした。反対に、男子生徒は「男は大学進学」という世間的な価値観に呪縛される中で学校を特に選ばなければ進学できるという状況に沿って進学していく。教育におけるジェンダー要因が差別問題として把握すべき側面を有していることが伺えるのである。
- お茶の水女子大学の論文
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