幼稚園における子育て支援を考える
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概要
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本研究では、幼稚園に子どもを通わせている保護者の子育て支援ニーズを探り、地域における子育て支援において幼稚園が果たすべき役割を見出すことを目的に調査を行った。幼稚園在園児保護者3119名、幼稚園の地域開放に参加している未就園児保護者564名へのアンケート調査の結果を、子育ての実情、子育て仲間、母親の生き方と子育ての3つの視点からまとめ、考察した。子育ての実情については、子育てに伴う悩みは子どもの年齢により異なり、子どもの発達的変化が問題視されることもある。一番身近な相談相手は配偶者であり、幼稚園、医師等の専門施設、機関は相談にはあまり利用されていない。子育て仲間については、子育て仲間は保護者の重要な精神的支えとなっているが、こうした子育て仲間を持っていない保護者、欲しいのだが作れない保護者がいる。また、子育て仲間との付き合い方に悩む保護者もいる。母親の生き方と子育てについては、家事専業の母親は子育てに対する満足感は高いが、自分の生き方に対する満足感は低い。母親たちの半数以上が将来への不安を感じている、といった結果が示された。こうした結果から、幼稚園が果たすべき役割として、(1)子育て相談(専門的知識の提供・情報発信)(2)仲間作りの場、保護者の対人的問題について心理的サポートの提供(3)母親の自らの生き方への満足度を高めるという形での間接的な子育て支援、が求められていることが示唆された。
- お茶の水女子大学の論文
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