保健推進員とその家族の生活習慣の関連(第7回聖路加看護学会学術大会)
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概要
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【目的】保健推進員(推進員)の家族間における生活習慣の関連を明らかにすることを目的として、推進員とその家族の生活習慣を同時に調べ、その関連の有無を検討した。また、推進員からの影響の有無についての家族の主観的評価を通して推進員活動が家族の生活習慣に影響を及ぼす可能性についても合わせて検討した。【方法】N県とA県の計4市町の保健推進員772名(全員女性)とその配偶者(全員男性)、及び同居している18歳以上の子に対して平成10年7月〜8月に自記式質問紙による留置調査を実施した。質問項目は基本属性と生活習慣17項目であり、さらに家族には推進員活動の認知と自分の生活習慣への影響の有無を尋ねた。有効回答数689件(有効回答率89.2%)であり、そのうち配偶者の回答も得られた554件、及び子の回答も得られた344件を用いて、各々推進員との関連を検討した。解析は、統計ソフトSPSS10.0を用い、各項目別にピアソンの相関係数及びt検定、あるいは重回帰分析を行った。【結果】1. 17項目の生活習慣から推進員と配偶者の生活習慣スコアには、17項目中12項目で、推進員と子(男)の間では6項目、子(女)では7項目で、有意な正相関が認められた。2. 家族が推進員になったことによる自分の生活習慣への影響の有無については、「影響した」「少し影響した」と答えた影響あり群は、配偶者47.5%、子は28.7%であった。この主観的影響の有無と生活習慣スコアには、配偶者では17項目中10項目、子(男)では6項目、子(女)では4項目で、いずれも影響あり群の値が有意に高かった。17項目の合計スコアにおいても、配偶者、子の男女ともに、影響あり群が有意に高かった(p<0.001、p<0.01、p<0.05)。3. 家族の生活習慣合計スコアを従属変数とし、推進員の合計スコア、家族の活動認知程度、主観的影響の程度、および年齢・性別・婚姻状況を独立変数とした重回帰分析の結果、配偶者では、年齢が若く、活動の認知程度、主観的影響の程度、推進員の合計スコアが高いことが、すべて独立して配偶者の生活習慣合計スコアの上昇に有意に関連していた。子では、女性であること、既婚、主観的影響の程度、推進員の合計スコアが高いことが、独立して子の生活習慣合計スコアの高さに有意に寄与していた。
- 聖路加看護大学の論文
- 2002-06-30
著者
-
山本 春江
青森県立保健大学健康科学部看護学科
-
川越 博美
聖路加看護大学看護実践研究開発センター
-
山本 春江
東京大学 大学院医学系研究科
-
山本 春江
青森市 健康福祉部
-
川越 博美
聖路加看護大学看護実践開発研究センター
-
川越 博美
聖路加看護大学
-
山本 春江
青森県立保健大学
-
山本 春江
青森県立保健大学 健康科学部看護学科
-
錦戸 典子
聖路加看護大学
-
錦戸 典子
前聖路加看護大学・現東京大学大学院
-
錦戸 典子
聖路加看護大
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