在宅痴呆性老人家族介護者にとっての家族会の意味 : 家族介護者の人生観・介護観・家族会へのニーズとの関連

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本研究の目的は、在宅痴呆性老人家族介護者各自の人生観・介護観・家族会に対するニーズによって家族会のもたらす意味にどのような違いがあるのかを明確にし、セルフ・ヘルプ・グループとしての家族会を支援する保健婦活動への示唆を得ることであった。10名の痴呆性老人家族会会員を対象として参加観察とインタビューを用いた質的記述研究である。家族介護者の平均年齢は、67才。介護平均年数は3.6年、家族会参加平均年数は、1年5ヶ月であった。介護者の人生観から、【自己状況受け入れ的人生観】【自己感覚信頼・自己開拓的人生観】の2つの生き方が見出された。また、その人生観によって、介護観・家族会へのニーズや意味づけも異なっていた。【自己状況受け入れ的人生観】を持つ家族介護者は、『受容的な介護観』を持っていた。そして、<気持ちの共有・安定>、<介護上困っていることの解決策の習得>、<痴呆性老人への自己の構えの学習>、<痴呆性老人を理解してくれる地域の人と結びつき>という『自己の精神的な安定のニーズ』を持っており、精神的な安定を得られる家族会を【介護に自分を立ち向かわせる場】と肯定的に意味づけていた。一方、【自己感覚信頼・自己開拓的人生観】を持つ家族介護者は、『自己開拓的介護観』を持っていた。そのため、<自己肯定を確かにする会のあり方><他者の役に立てる自己のあり方>、<更に発展させた会のあり方>といった『家族介護者達にとってより有益な会になるニーズ』を持ち、単に気持ちの共有や情報交換をする家族会を【介護に立ち向かわせなくする場】という否定的に意味づけていた。今後の支援の方向性として、家族介護者の生き方によって、家族会へのニーズや家族会の意味がそれぞれに異なることを考慮してセルフ・ヘルプ・グループを支援して行く必要性が示唆された。
聖路加看護大学の論文
2001-06-30

在宅痴呆性老人家族介護者にとっての家族会の意味 : 家族介護者の人生観・介護観・家族会へのニーズとの関連

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