健康教室における参加者の学びが家族や地域へ波及する現象についての探索 : 減塩教室参加者の特性に関する検討
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概要
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この研究の目的は、減塩教室の参加者と非参加者の相違を分析し、減塩教室参加者の特性を明らかにすることである。対象はA町の平成17年度住民基本健診結果に基づいた、尿中塩分のハイリスク者270名である。対象者全員に減塩教室の開催通知を行い、参加希望を募るとともに自記式質問紙を郵送し返送を求めた。主な質問項目は、属性、健康習慣及び食習慣、生活習慣改善及び減塩に関する必要性の認識、食塩摂取と生活習慣病との関連や減塩方法に関する知識、減塩実行に関する意欲と自信、健康に関する情報の入手先、近所づきあいの程度について、である。参加群がすべて女性であったため非参加群の女性と比較した。その結果有意な相違があった項目は、職業,減塩に関する必要性の認識,減塩実行の意欲,健康に関する情報の人手先の4項目であった。健康習慣および減塩に関する知識については有意差がなく近似していた。近所づきあいの程度には差がなく、両部とも比較的活発であった。これらの結果からA町減塩教室参加者の特性は、非参加者に比べ、時間に余裕があり、非参加者と同様の健康習慣及び食塩摂取に関する知識を有しながら、減塩改善の認識や意欲はやや高い集団であることが示された。また、健康情報を公的機関や健康教室等から積極的・能動的に得る傾向があり、近所づきあいの活発な集団であることが示された。これらの特性を有した参加者は、減塩教室での学びを家族や地域へ波及させるオピニオンリーダーと成り得、学びの受け手の行動に影響を及ぼす可能性が示唆された。
著者
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山本 春江
青森県立青森高等看護学院
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千葉 敦子
青森県立保健大学健康科学部看護学科
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山本 春江
青森県立保健大学健康科学部看護学科
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竹森 幸一
青森県立保健大学健康科学部
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浅田 豊
青森県立保健大学健康科学部
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浅田 豊
青森県立保健大学
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山本 春江
青森市健康づくり推進課
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山本 春江
東京大学 大学院医学系研究科
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山本 春江
青森市 健康福祉部
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工藤 奈織美
自治医科大学看護学部
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長谷川 衣子
青森県鶴田町役場
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長谷川 しぐれ
青森県鶴田町役場
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山本 春江
青森県立保健大学
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竹森 幸一
青森県立保健大学
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山本 春江
青森県立保健大学 健康科学部看護学科
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竹森 幸一
弘前大学医学部衛生学教室
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竹森 幸一
弘前大医衛生
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浅田 豊
青森県立保健大学健康科学部人間総合科学科目
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竹森 幸一
弘前大学
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千葉 敦子
青森県立保健大学健康科学部
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千葉 敦子
青森県立保健大学
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