家族看護過程における看護者の認識の変化 : スーパービジョンを通して
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概要
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筆者らが過去に看護職として関わり、家族援助に困難を感じた2事例の家族看護過程について、スーパービジョンを受け、それを通して変化した援助者の認識の内容を記述探索的に分析した。その結果、透析と障害の受容が困難であった2事例に対する援助者の認識の変化から、「キュアとケア的アプローチにおけるバランスの重要性」というテーマが得られた。また、両事例に対する認識の変化から、「家族の信念・価値観のアセスメントの重要性」と、「関係性のアセスメントの必要性」というテーマがそれぞれ導き出された。このことは、家族看護過程においては、キュアのみではなくケア的アプローチとのバランスが重要であること、また、家族の苦しみの根底にある信念・価値観のアセスメントの重要性や、時間的・関係的存在としての家族理解に基づく関係性のアセスメントが重要であることが示唆された。また、スーパービジョンによって援助者は自己の認識の偏りを自覚し、複雑なシステムである家族を援助するために必要な認識の変化を経験することができたことから、家族看護過程にとって、スーパービジョンが有効であることが明らかになった。
- 東海大学の論文
著者
-
松坂 由香里
東海大学健康科学部看護学科
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村田 久行
東海大学健康科学部社会福祉学科
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鈴木 和子
東海大学健康科学部看護学科
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鈴木 和子
東海大学 健康科学部
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鈴木 和子
東北厚生年金病院看護局
-
角田 美穂
東海大学健康科学研究科
-
松坂 由香里
東海大学健康科学研究科
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