栽植間隔の異なるクズ(Pueraria lobata OHWI)初年目群落におけるほふく茎と根群の発達
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概要
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クズを40×40,80×80および120×120cm間隔で栽培し,初年目におけるほふく茎と根群の発達を比較した。20×20cmコドラートを用い,植物体を植付けた位置(PS)と4個体の中間の位置(IS)で茎と根を採取した。採取は7月17日から12月11日にかけて3週間間隔で8回行った。m^2当り茎長は40cm間隔では9月18日(102m/m^2),80cm間隔では10月30日(79m/m^2)に最高に達し,最終収穫日にはそれぞれ55,54m/m^2まで減少した。120cm間隔では10月30日に最高に達し(66m/m^2),その後横ばい状態を保った。なお,太い茎の割合は疎植ほど大きかった。全生育期間を通じて平均したm^2当り発根節数ならびに全節数に対する発根節の割合は,ともに80cm間隔が最高で(61.3発根節/m^2,8.8%),40cm間隔が最低(41.9発根節/m^2,6.2%)であった。より大きなLBD(根群を構成する根の最大基部直径)をもつ発根節の割合は疎植ほど大きかった。また,疎植ほど発根節当り根数は大きかった。単位面積当りの茎長ならびに発根節数はいずれの栽植間隔ともISよりもPSの方が大きかった。一方,全節数に対する発根節の割合はISの方が大きかった。上述のように,栽植間隔の異なる造成初年目のクズ群落では根と茎からなる網目状構造の発達に差があり,同一栽植間隔でもPSとISでは相違することが認められた。
- 日本草地学会の論文
- 1990-04-30
著者
-
津川 兵衛
神戸大学農学部
-
西川 欣一
神戸大学農学部
-
小松 典行
神戸大学大学院自然科学研究科
-
SASEK T.W.
デューク大学環境学部
-
Sasek T
Duke Univ. Nc Usa
-
サセック トーマス
デューク大学
-
SASEK Tomas
School of Forestry and Environmental Studies, Duke University
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