Centrosema pubescensとDesmodium intortum cv. Greenleafの1年目草地における植物体地上部,ほふく茎および根の生長 : II. ほふく茎と根の発育
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
暖地型マメ科牧草の永続性に関する研究の一環として,オーストラリア東部の亜熱帯に位置するブリスベンの郊外でCentrosema pubescens (centro)とDesmodium intortum cv. Greenleaf (Desmodium)のほふく茎,主根および不定根の発育を調査した。両種の苗を40cm間隔で移植し,最初の生育期間(1983年12月〜1984年5月)中に3週間間隔で8回,冬の終り(1984年9月)に1回,合計9回植物体の採取を行った。採取場所は植物体を植付けた位置と,隣接する4個体に囲まれた正方形の対角線の交点の位置を中心とする20×20cmの面積である。単位面積当りの発根点数はdesmodium(600〜1,200m^<-2>)よりcentro(1,300〜2,100m^<-2>)の方が多かった。これは主として単位面積当りのほふく茎の長さがdesmodium(約90mm^<-2>)よりcentro(約300mm^<-2>)の方が大きかったことによる。しかし,desmodiumのほふく茎の方がより太く,かつより重かった。基部直径1〜4mmの根はcentroよりdesmodiumの方が多かったが,両種の大部分の不定根は小さく,両種とも基部直径4mm以上の不定根は発生しなかった。厚さ5cmの土層の根重は,生育期の終りにはcentro(62gm^<-2>)よりdesmodium(72gm^<-2>)の方がわずかに大きかった。以上のように,centroとdesmodiumは植栽した年にほふく茎と不定根からなる広大な網目状構造を発達させることが明らかになった。
- 日本草地学会の論文
- 1988-10-31
著者
-
津川 兵衛
神戸大学農学部
-
ジョーンズ リチャード
オーストラリア連邦科学産業研究機構 熱帯作物・熱帯草地部
-
クレメンツ ロバート
オーストラリア連邦科学産業技術研究機構,熱帯作物・熱帯草地部
-
クレメンツ ロバート
オーストラリア連邦科学産業研究機構 熱帯作物・熱帯草地部
関連論文
- SSR-PCR法による丹波黒の判別(I)
- 長期低温貯蔵玄米の脂質及び脂肪酸組成の特徴
- 栽植間隔の異なるクズ(Pueraria lobata OHWI)初年目群落の乾物生産ならびに葉面積展開の季節変化
- 82 登熟期における水稲^C光合成同化産物の動態 : 第1報 同化時期が異なる光合成蓄積産物の各枝梗への分配
- 79 硝酸イオン濃度がダイズの新規固定炭素の動態に及ぼす影響
- ダイズの窒素固定能と収量に及ぼす栽植密度の影響
- 24 ダイズ栽培における窒素固定能の支配要因に関する研究 : 第2報 葉群構成(分枝葉比)の影響
- 23 ダイズ栽培における窒素固定能の支配要因に関する研究 : 第1報 葉/莢比(ソース/シンク率)の影響
- アルファルファ幼植物におけるβ-アミラーゼ活性ならびにアイソザイムの日変化について
- 土壌水分が水稲苗の素質におよぼす影響
- 11 実生アルファルファにおける基肥および追肥窒素の利用と動態について
- 10 ダイズの窒素固定能(アセチレン還元能)の季節的変化と収量性に及ぼす栽植密度の影響
- 8 水稲苗における移植後の窒素の吸収と分配
- クズ(Pueraria lobata Ohwi)の茎の萌芽習性
- 六甲山地古生層地帯におけるクズ(Pueraria lobata OHWI)自然群落の土壌特性
- 造成後約15年をへた放棄畑に成立したクズ(Pueraria lobata OHWI)自然群落における当年生草冠の展開期間中の網目状構造の変化
- 造成後約15年をへた放棄畑に成立したクズ(Pueraria lobata OHWI)自然群落におけるクズ当年生草冠の乾燥生産と葉面積展開
- 40343 屋上緑化の維持管理に関する研究 : セダム植生の季節変化に関する定量的調査結果(建物緑化,環境工学I)
- 低窒素肥料に対するイネの成長反応の品種間差異
- 低窒素下で発育したイネ葉身における吸収窒素の葉緑体, 可溶性タンパク質およびRubiscoへの分配
- Prevention of Lahar Flows and Agricultural Development in the Disaster-stricken Area of MT. Pinatubo Explosion,in the Philippines (Original papers in Kobe Symposium on Agriculture)
- 菜植間隔の異なるクズ(Pueraria lobata OHWI)群落の第1回越冬直後の親根株と発根節の空間分布
- アルファルファの初期生育と^N標識窒素の吸収・分配におよぼす硝酸態窒素とアンモニア態窒素の影響
- クズ(Pueraria lobata Ohwi)の登攀戦略 I. クズの有支柱栽培と無支柱栽培との間での分枝発生,乾物ならびに葉面積生産の比較
- 栽植間隔の異なるクズ(Pueraria lobata OHWI)群落の第1回越冬直後のほふく茎と根群
- 栽植間隔の異なるクズ(Pueraria lobata OHWI)初年目群落におけるほふく茎と根群の発達
- Centrosema pubescensとDesmodium intortum cv. Greenleafの1年目草地における植物体地上部,ほふく茎および根の生長 : II. ほふく茎と根の発育
- Centrosema pubescensとDesmodium intortum cv. Greenleafの1年目草地における植物体地上部,ほ伏茎および根の生長 : I.地上部生長の季節変化
- アルファルファの生理的特性に関する研究 : 第14報 アルファルファの澱粉蓄積およびエチレン発生の推移について
- 電気泳動法によるアルファルファのアミラーゼとフォスフォリラーゼの検出と刈取後の経時的変化
- 水稲苗の諸形質に関する研究(第3報) : 播種密度ならびに土壌水分の相異が水稲苗の諸形質ならびに発根力に及ぼす影響
- クズの乾物生産ならびに葉面積の拡大に関する研究 : III.越年茎の節における当年茎の発生
- 家庭用ミキサーによるクズの種皮処理
- クズ一年生実生の根群発達
- 遮光処理がクズ実生の出葉,分枝発生ならびに乾物生産に及ぼす影響
- クズ実生の分枝と出葉数に関する二,三の観察
- 水稲苗に関する研究 (第1報) : 播種密度と播床の土壤量が水稲苗の諸形質に及ぼす影響について
- クズの群落構造に関する研究 : VI.自然群落を構成する個体の越年性地上部の構造
- クズの乾物生産ならびに葉面積の拡大に関する研究 : II.当年茎の乾物ならびに葉面積生産性における主茎と分枝の差異
- クズの乾物生産ならびに葉面積の拡大に関する研究 : I.越年茎の節から発生した当年茎の乾物重ならびに葉面積
- 里づくりにおける棚田オーナー制度の役割 : 兵庫県加美町岩座神地区
- クズの群落構造に関する研究 : V.維管束環数の異なる越年茎の茎長割合ならびに越年茎の発根節数と非発根節数の割合
- クズの群落構造に関する研究 : 第4報 根群の発達程度の異なる発根節や株の分布様式
- クズの群落構造に関する研究 : 第3報 発根節の分離の概要
- クズ実生の地上部と地下部の生長(園芸農学)