遮光処理がクズ実生の出葉,分枝発生ならびに乾物生産に及ぼす影響

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本研究では, 1980年5月から8月までの期間に, ガラス室内において, 0,35,66および83%の4遮光レベル下でクズ実生をポット栽培し, 減光に対する生育反応を調べた。83%遮光では主茎第9葉にかなり明瞭な出葉転換点を認めたが, 他の3遮光処理ではその存在は不明確であった。処理間の出葉間隔に差が生じ始める第3葉から第9葉までの平均出葉間隔は, 0遮光では3.8日, 35%遮光では4.4日, 66%遮光では4.9日, 83%遮光では7.1日であった。しかし, それ以降第17葉までの平均出葉間隔にはほとんど差がみられなかった。各処理とも1次分枝の発生率は下位節から中位節に向って上昇し, 上位節になると低下した。一般に, 同じ節位の分枝の発生率は弱光ほど低く, 発生時期は遅れる傾向がみられた。個体当りの地上部乾物重は0%遮光が18.3gと最大であり, 遮光が強くなるほど低くなった。85%遮光の地上部乾物重は0%遮光の1/5であった。地上部乾物重のうち, 主茎諸器管の割合は66%以下の遮光では1次分枝諸器管の割合より小さいが, 83%遮光では逆転した。なお, 器官別にみると, 小葉重の割合は0%遮光の47%から83%遮光の62%へと増大するのに対して, 茎重の割合は減少した。葉柄重の割合はほとんど変化しなかった。主根, 側根とも弱光ほど乾物重は小であるが, 主根重の減少程度がより顕著であった。T-R比は0%遮光では3.1,35%と66%遮光では3.0であるのに対して, 83%遮光では4.2と大きく, 強い遮光下では地上部の生長は根の生長よりも強く抑制されることがわかった。その他, 個体当りの茎長および葉面積も遮光により影響を受けた。
神戸大学の論文
1985-01-31

遮光処理がクズ実生の出葉,分枝発生ならびに乾物生産に及ぼす影響

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