水稲苗に関する研究 (第3報) : 水稲苗の形質と播種量,施肥量,土壌水分との関係

概要

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前報でのべたように, 稚苗期においても, 播種量や施肥量は苗の形質を左右するものである。本研究は床土の深さを一定として, 播種量, 施肥量, 土壌水分量などと苗の形質の関係を検討したものである。その結果は次のとおりであった。1) 苗令は厚播した区ほど若く, また, 一般に水苗では施肥量の多いほど高かった。畑苗の薄播区では中間程度の施肥量で最高の苗令を示した。畑苗の苗令は水苗のものよりも高かった。2) 葉長, 葉鞘長においては, 第1,第2葉では変異は小さく, 第3葉で差が現われはじめた。すなわち, 水苗では, 施肥量の少ないものは薄播ほど長く, 施肥量がある程度以上多くなると, 播種量による差は小さくなった。水苗では施肥量を増すと葉長, 葉鞘長が長くなる傾向があったが, 畑苗では中間程度の施肥量の場合に最高を示した。3) 抽葉長は播種量の少ないものほど長い傾向があり, また一般に, 施肥量の多いものほど長かった。しかし, 畑苗では中間程度の施肥区が最長を示した。
神戸大学の論文