漢字符号化のアポリア異体字問題解決の糸口を求めて(セッション2:メタデータ,言語対応,Web2.0時代の情報アベイラビリティ)
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概要
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表意文字としての漢字を情報交換のために符号化することには、アーキテクチャの上からも、実際の符号化実務の上からもさまざまな困難と矛盾が伴う。なかでも、日本社会において人名・地名に日常的に用いられる異体字の扱いは、行政実務の観点からも、住民感情の観点からも、行政の電子化を妨げる大きな要因となっている。本稿では、長年にわたり符号化文字集合の標準化活動に携わってきた経験と、日本を代表する仮名漢字変換システムの開発に関わってきた経験を踏まえ、解決の糸口を複数異体字の統合の可能性ではなく、複数異体字を区別する現実の必要性に即して考える。前半では、Universal Multiple-Octet Coded Character Set(UCS)ISO/IEC 10646:2003の定義を、可能な限り厳密に読み解くことにより、符号化文字集合内部で論理的に操作できる問題と、人間と機械の接面で生じるアポリアの切り分けを試みる。後半では、このアポリアを漢字異体字に即した現象面から瞥見し、妥協可能な解決策への方向性を探る。
- 2007-01-26
著者
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