音楽授業において知覚・感受を育てる方法論としての比較聴取 : 表現の授業の場合
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概要
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音楽科の中核的学力である知覚・感受を育てる指導法として,比較聴取の有効性を実践的に検証し,音楽科授業の方法論として比較聴取を位置づけることを目的とする。最初に音楽科教育での知覚・感受と比較聴取との関係を検討し,つぎに知覚・感受の育成における比較聴取の有効性について表現領域の音楽授業の実践分析により検証した。結果,比較聴取は子どもに聴く観点を与え,そこを切り口に知覚と感受の相互作用を促進し,相互作用での成果は表現活動に応用されたことがわかった。それは,比較聴取はその条件統制の構造ゆえに,構成要素の働き(知覚)と表現効果(感受)の関係の実験の場としての機能をもつからであると考えられる。比較聴取がその機能を発揮するには議論と組み合わせて授業構成をすることが有効であるといえる。
- 2006-02-28
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