動作習得前後における右下肢のステップ動作時での体幹筋筋活動の検討

概要

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本研究の目的は、脳卒中片麻痺患者の治療として用いられている右下肢のステップ動作をもとに、健常者において運動学習と課題計測を行い、運動学習実施前後での体幹筋の筋活動と運動学習の状況を把握し、臨床応用することとした。方法として、健常者における右下肢の後方から前方、さらには後方へのステップ動作時の重心動揺と表面筋電図の計測およびデジタルビデオでの動作撮影をおこない、ステップ課題時の体幹筋の筋活動を検討した。その結果、全被験者において実施後に、体幹筋の各相の切り替り時点での筋活動増大と所要時間の短縮、重心移動軌跡の安定が認められた。また、「言語的結果の知識」の付与が運動学習課題の実施回数減少につながることも確認された。以上のことから、体幹筋の参加様式の変化や所要時間の短縮、重心移動軌跡の安定は上位中枢の変化を示したものと推察され、脳卒中片麻痺患者のステップ動作時の運動学習程度を把握する指標として重要であることが示唆された。また、その実施にあたっては「言語的結果の知識」の付与が重要であることも示唆された。
関西鍼灸大学の論文
2006-05-26