分廻し歩行を呈する右片麻痺患者における歩行時の麻痺側離床動作と体幹筋の活動について

概要

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今回歩行時麻痺側離床が困難で分回しがみられ不安定性のある右片麻痺患者について1回の治療を行い表面筋電図評価にて効果を検討したので報告する。右片麻痺患者1名を対象とし両側の内腹斜筋、外腹斜筋、多裂筋、後脛骨筋の計測を行なった。課題は1安静立位、2右ステップ肢位、3左ステップ肢位とした。課題1を基準とした課題2・3の筋積分値相対値を算出した。治療前後で計測を行なった。本症例は麻痺側立脚期に麻痺側内腹斜筋筋緊張低下により体幹の右側前方への崩れがみられその代償として多裂筋過活動により体幹の伸展を行う。またこの過活動により麻痺側下肢の連合反応が出現し足部内反尖足となり麻痺側の離床を困難にする。離床を行うための代償動作として麻痺側骨盤挙上、前傾、麻痺側回旋、麻痺側股関節外転による分回しが起こる。これらのことから麻痺側分回しは麻痺側内腹斜筋筋緊張低下により起きている動作と考えられ麻痺側内腹斜筋促通を目的とした理学療法を行なった。その結果麻痺側内腹斜筋が促通されたことにより麻痺側立脚期の体幹の崩れが減少しその代償として働いた腰背筋過活動が改善されそれにより出現した麻痺側下肢連合反応も減弱した。これにより歩行時の麻痺側離床が容易になり代償として起こっていた麻痺側遊脚期の分回しも減少したと考える。このことより麻痺側分回しは麻痺側内腹斜筋筋緊張低下に起因していることが示唆された。
2005-05-03

分廻し歩行を呈する右片麻痺患者における歩行時の麻痺側離床動作と体幹筋の活動について

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