足部内反尖足により歩行困難であった脳血管障害片麻痺患者

概要

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本症例は約3年前に発症した脳血管障害による左片麻痺患者である。屋内歩行動作では麻痺側立脚初期から中期に内反尖足が出現、上部体幹の屈曲・右回旋がみられた。歩行動作の特徴点は内反尖足による麻痺側立脚中期の不安定性であるが非麻痺側の過剰な筋活動による連合反応の影響を考え体幹アライメント異常に着目した。問題点を非麻痺側腹斜筋群の過剰収縮のため上部体幹を屈曲・右回旋することで足部内反を抑制する結果、重心が前方に偏位するため非麻痺側の杖により姿勢保持することで、連合反応を誘発し内反尖足を呈するものとし治療を行い表面筋電図にて考察した。治療は端坐位での左右重心移動とし非麻痺側腰背筋の促通と非麻痺側腹斜筋群の抑制と麻痺側腹斜筋群の促通目的にて麻痺側重心移動時、麻痺側肩甲帯を上方へ引き上げ非麻痺側殿部の離床を介助し非麻痺側への重心移動時に麻痺側腹斜筋群の促通し治療した。結果として歩行動作では麻痺側立脚初期における上部体幹の屈曲と右回旋は減少した。治療により麻痺側腹斜筋群の筋緊張が改善され非麻痺側腹斜筋群の過剰な筋収縮が抑制、両側腰背筋群の活動性が賦活され体幹の協調的な運動が改善され連合反応の影響が減少し麻痺側立脚期での不安定性が改善したと考察する。
関西鍼灸大学の論文
2005-05-03

足部内反尖足により歩行困難であった脳血管障害片麻痺患者

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