地域在宅高齢者の歩行能力に影響を及ぼす運動機能の変化について

概要

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本研究の目的は、地域在宅高齢者の歩行能力と連動して変化する運動機能を検討することである。宮城県北部にある大郷町において70歳以上85歳未満の在宅高齢者を対象とした体力測定への参加者で、平成15年度(1回目)と平成16年度(2回目)に連続して参加し、今回の検討項目を全て実施した204名(平均年齢75歳)を検討の対象とした。結果として、1回目と2回目の平均値の比較では、握力、膝関節最大伸展筋力、Timed Up&Go、最大サイドステップ長、自由速度条件における歩行速度および歩行率が有意に増加した。また、歩行能力の変化量と身体機能の変化量の関係では、自由速度条件の歩行速度とTimed Up&Goが、最大速度条件の歩行速度と握力、Timed Up&Go、最大サイドステップ長が有意な相関を示した。歩行速度の変化量を目的変量とした重回帰分析では、自由速度条件ではTimed Up&Goの変化量のみが、最大速度条件ではTimed Up&Goおよび最大サイドステップ長の変化量が有意に推定に寄与した。結論として、歩行能力に影響を及ぼす運動機能としては、バランス機能が重要であることが示唆された。
2006-03-31