マサ土の霜柱発生機構に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マサ土の霜柱発生機構を明らかにするため,阿武隈山系から採取した2種類のマサ土を用いて,霜柱の発生に関与すると考えられる土の物理性のうち,密度,粒度組成,コンシステンシー,熱伝導率,pF水分特性,水分拡散係数並びにポアー分布などを検討した.得られた結果は以下のとおりである.1)関東ロームよりマサ土の方が,マサ土2よりマサ土1の方が霜柱が立ちにくい.また,霜柱が立っても霜柱の高さが低くなった.2)土の密度が高くなるほど霜柱が立ちにくかった.3)土の種類によっても,また,同じ土でも密度によって霜柱の発生に差があるが,この原因の一つは熱伝導率が高いほど,地中から上部層への熱の伝導が速くなることから,表層土の地温低下が遅れるため霜柱が発生しにくくなったものと推察される.4)土の密度の相違によって霜柱の発生に差が表れた他の原因は,給水機能に関係があり,給水機能の差は霜柱発生有効水分量の差で示される.5)土の種類及び土の密度によって熱伝導率と給水機能に差があることは土塊のポアー容積量に差があることと関係がある.以上のように2種類のマサ土はともに,起霜機能は有しながら,マサ土1はマサ土2に比べ給水機能が劣るとともに,熱伝導率の大きかったことが霜柱を発生しにくくした要因と考えられる.要因のいずれが主要因であるかについては今後水分と熱の流れの数量的検討によって明らかにしたい.
- 千葉大学の論文
著者
関連論文
- 霜柱の生長機構に関する研究
- 特殊土の植栽基盤としての改良 : II.稲城砂とロームの混合が締固めに及ぼす影響
- 北海道東北部火山性寒冷地土壌の水分拡散係数と不飽和透水係数
- 熱的変化が火山灰土壌の比表面積並びに水分特性に与える影響
- 沿道樹木の湿害に与える要因 : 熊本港線の事例について
- 保水剤の添加による土壌物理性の変化 : IV.保水剤が土壌構造に与える影響
- 霜柱発生の難易に関与する土の物理性(平成2年度日本造園学会研究発表論文集(8))
- マサ土の霜柱発生機構に関する研究
- 保水剤の添加による土壌物理性の変化 : III.保水剤が透水性に与える影響
- 保水剤の添加による土壌物理性の変化 : II.保水剤が毛管上昇高に与える影響
- 特殊土の植栽基盤としての改良 : I.稲城砂の物理的性質
- 歩行姿勢からみた園路路材としての砂礫の歩き易さについて(平成3年度日本造園学会研究発表論文集(9))
- 保水剤の添加による土壌物理性の変化 : V.保水剤が締固め特性に与える影響
- 非定常制御による土壌の保水特性測定のための理論的考察
- 霜柱生長中の地中熱流解析による地温の計算値と実測値の比較
- 砂質土の改良に関する研究 : VII.微細土粒子の洗脱機構
- 印旛沼浚渫土圃場の土壌物理性 : 角来地区転換田の事例
- 運動場の防塵舗装について
- 赤外線による土壤含水量測定について
- 砂質土の改良に関する研究 : III.マサ土の締固めと透水性
- 霜柱の生長に関する研究
- マサ土法面の崩壊,特にスレーキングについて(昭和59年度日本造園学会研究発表論文集2)
- 33.マサ土法面の安定化に関する研究(昭和58年度日本造園学会研究発表論文集(1))
- 砂質土の改良に関する研究
- 有機質土の練返し及び砂の混合特性
- 保水剤の添加による土壌物理性の変化 : I.保水剤がpF-水分特性に与える影響
- 砂質土の改良に関する研究 : VI.マサ土の剪断強さと水分特性
- 砂質土の改良に関する研究 : V.マサ土法面の排水特性
- マサ土法面の水分分布と芝草のルート・マットの力学的特性(昭和61年度日本造園学会研究発表論文集(4))
- 砂質土の改良に関する研究 : IV.マサ土のスレーキング
- マサ土法面の水分分布と崩壊について(昭和60年度日本造園学会研究発表論文集3)
- 砂質土の改良に関する研究 : II.微細土粒子の洗脱特性
- 関東ロームにおける霜柱の生成融解が土壌水分の運動に及ぼす影響 : II.観測結果の解析
- 関東ロームにおける霜柱の生成融解が土壤水分の運動に及ぼす影響 : I.観測結果からの所見
- 土壤面蒸発におよぼす日射の影響
- 霜柱の生長と土壌の物理性との関係